建築・ジョルナイセラミックの特徴

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前にもちょこっと書きましたが、ハンガリーの陶器工場「ジョルナイ」で製作される陶器(セラミック)は、食器だけでなく、建築材としても使われます。
ジョルナイ陶器の特徴は「独特の釉薬」と「劣化防止に優れた材質の追求」と言えるでしょうか!
http://blogs.yahoo.co.jp/ama19no20jack/trackback/1731325/37036261

まず「独特の釉薬」としては「エオシン釉」。
1893年に誕生、独特の玉虫色の光沢を放ちます。
名前の由来はギリシア語で「暁」を意味する「エオス」。
光を自由に操れる素材として重宝されますが、下手するとドクドクしい色づかいになります。
まったく!ジョルナイ陶器は上品と下品のギリギリの境界にあって、色彩的にも「新芸術」なのかもね。

「劣化防止」という観点では「ピログラニッド」と言われる粘土製法が売りです。
ハンガリーは典型的な大陸性気候の国で、案外に厳しい自然環境にして、テラコッタを使ってもすぐにひび割れてしまうんですね。
気温は夏では35℃以上になり、冬では零下。ドナウ川に流氷が流れます。
室内では暖房をガンガン使います。

またジョルナ陶器は19世紀の終わり、芸術においてハンガリーの民族性や伝統文化の表現が求められた時代に発達しました。
当時求められた表現を可能にし、なおかつ条件の悪い自然環境に適応する素材・・・
これを追及した結果うまれたのが「ピログラニッド製法」。
簡単に説明すると一度焼いた粘土を細かく砕き、土に混ぜて再び焼くという手法です。
実際の製作行程は一口で言えないほど手が混んでいるのでしょうが、まあ平たく言うとそんな感じ。

ちなみにJackがこれまでこのブログで紹介してきた建築物の建築材のうち、
セラミックはみんなジョルナイ製ということです。

写真はジョルナイの本拠地:ペーチ市にある名もなき建物から、エオシン釉のタイルの使用例のわかるもの二点です。
一枚目はペーチ駅から市街地に向けて伸びている一本道の突き当りにある家の窓。
この緑色はジョルナイ陶器の典型を見るようです。
二枚目は旧市街中心広場からちょっと脇に入った小道にある家。柱のタイルに注目!
このドクドクシさ・・・上品な建物ばかりを見てきた人にとっては、「これのどこがいいの?」って感じかも!隣の家の普通の壁とのミスマッチが素晴らしい。
初めて新感覚なジャズを聞いた時の感じに似ているかもしれません。