3つの協奏曲 vol.8

ホント、このコンサートに行かないと、更新しなくなってしまいました。

HZMのコンサート!! 3つの協奏曲 vol.8

   (参照サイト)金澤亜希子の音楽室


今年のお品書きです。

ベートーヴェン : ピアノ協奏曲 第4番  ソロ:近江秀崇 伴奏:新井彩香

プロコフィエフ : ピアノ協奏曲 第1番  ソロ:金澤亜希子 伴奏:近江秀崇

シューマン : ピアノ協奏曲  ソロ:新井彩香 伴奏:金澤亜希子


この企画も8年目だそうです。
今年は、シューマンだけ予習して、後は手つかず、耳つかずで拝聴しました。
ベートーヴェンも、知らない曲ではないのですが、
あえて反復予習はせずに馳せ参じました。

あと、前の方に座ると、彩香ちゃんにいらぬ心配をさせてしまうらしく、
今年は、中間部の気に入っている場所に陣取りました。


【テーマ】なぜベートーヴェンで眠くなるのか?
モーツァルトほどではありませんが、やはり眠くなります。
曲の完成度が高いのでしょうね。
聴衆の心に、不自然に引っかかる部分がないのだと思います。

ベートーヴェンのピアノ協奏曲は、二台ピアノで聴いた場合、
「ピアノ二重奏」になるので、ソナタよりも「重厚」なピアノ曲として、
睡眠誘導指数も高くなるような気がします。(何のこっちゃ?)

二重奏だから、ソロとか伴奏とか、ど~でもよくなっているのですが、
近江氏の演奏は“Beethovennek való”で、不自然に引っかかることもなく、
本日もソツなく通常営業だったように感じました。

近江氏のプロコの伴奏が良かったです。
古典を控えて、20世紀への扉を開けてみるのも良いのではないでしょうか?


【テーマ】ロシアに「良き時代(ベル・エポック)」はあったのか?
歴史学における「時代を表す言葉」として、
「長い19世紀」「短い20世紀」というのがあります。

19世紀末の帝国主義だけど、平和な「良き時代」が20世紀に入っても続き、
やっと、1914年の第一次世界大戦勃発で終わる。
そこから本当の「20世紀的」な時代が始まり、1991年のソ連解体で「21世紀的」な時代が始まる・・・

そんなわけで、最初の13年と最後の9年が、それぞれ19世紀と21世紀にとられ、
「20世紀的」な激動と戦争の時代は、100年に足りない・・・というわけです。
 ※「長い19世紀」の始まりは、1789年のフランス革命

プロコフィエフのピアノ協奏曲第1番の初演は1912年で、
「長い19世紀」末期の作品です。

それでもこの曲は、浮かれた平和感がないような気がします。
長調の曲だから明るいことは明るい。
不安な気持ちになるわけではないけどぉ、落ち着かない。
「斬新」な和音のせいではないと思うんですよ。

割と頻繁に、自己主張気味の「音」が出てくる気がします。
周辺の音と、あんまり仲良くしていない?
聴いていて落ち着かない「飛び出す音」
おかげで(?)眠くならない。

Jackにとっては、今日がこの曲の「初演日」です。
この曲は、今の日本にあっている気がしますよ。
本当の初演日の頃も、なんだか落ち着かない時代だったとご推察。
ロシアの20世紀初頭は、ベル・エポックとは言えなかったのでしょう。

金澤さんは「情熱的」な(フリをした)演奏をしてました。
本日も、ッポイな金澤!
そろそろ、ロマン派の曲で演じて欲しいものです?!!


【テーマ】ソロと伴奏はガチンコであるべきか?
「二台ピアノ」の場合はガチンコ上等でしょうかね?!!
シューマンでは、彩香ちゃんの方が押され気味だったかもね。
なんと言っても、ッポイな金澤!

シューマンのこの曲は、ここ最近、繰り返し聴いてしまったので、
その分、いろいろと思うところはあるのですが、
確実に言えることは「シューマンの曲は難しい」

今年も「打楽器二重奏乱れ打ち」なところがあったような気がします。
それは、ロマン派の曲でやらないで、新しい時代の曲で実践しませんか?
素晴らしいガチンコ勝負になるような気がします。
ピアノ競争曲!

彩香ちゃんの納得のいく「表現の追求」をお待ちしています。


というわけで、このコンサートに行った人でないと、
わけがわからないレビューでしたが(行った人でもわからない?)、
今年はここまでにしたく思います。

皆さま、良い御年をお迎えください!