2台のピアノ de 協奏曲

ジャズの中でも「何じゃこりゃ??」みたいな曲があります。
わけわからん不協和音の連続で・・・
どうも、そういう感じのジャズを「フリージャズ」と呼ぶらしいです。
Jackがジャズ演奏で初めて「???」を感じたのは、
エリック・ドルフィーというアルト・サックス奏者の「アウト・トゥ・ランチ」というアルバムを聴いた時でした。
「美しい」とか「メロディアス」などという言葉とは無縁のような気がしました。

その後、あるジャズ関係の雑誌にあった座談会記事を読んだ時のことですが、
そこでは・・・
「クラシックはジャズに比べて、リズムがなっとらん」とか、
「クラシックのコンサートに行っても、リズムが悪いから演奏を聴いても座りが悪い」とか、
「クラシックの演奏家は気をつけることがいっぱいありすぎて、リズムに手が回っていない」とか、
N響コントラバス奏者はみんなロン・カーターより上手いが、彼らにロン・カーターの代わりはできない」とか・・・
これ以外にも、ジャズのピアノ奏者がリズム感を養うためにパーカッション奏者に弟子入りし、
ひたすらメトロノームに合わせて手を打つ練習をしたとか・・・
とにかくジャズがクラッシックに対抗するには、も~「リズム」しかないといった感じでした。

ジャズは、3人や4人編成のバンドの生演奏を聴くと実感しますが、
各楽器のソロとソロをつなげても、つなぎ目で演奏がブチ切れる感覚はありません。
ベースやドラムが一定のリズムを刻んでいるから・・・というのもあるのでしょうが、
その他の演奏者全員が、同じリズムの中にいるからだと思います。

そんなわけで、それ以後、Jackは「???」なジャズを聴く際には、
メロディにしびれることよりも、リズム的な一体性を感じて楽しむようにしています。
そ~でもしないと「???」なジャズは面白くないのです。

非常に前置きがながくなりましたが、
4月27日(月)に知り合いのピアニスト・金澤亜希子さんのコンサートに行ってきました。
「2台のピアノ de 協奏曲」のタイトル通り、
ピアノ協奏曲のオーケストラ部分をピアノ用に編曲して、
2台のピアノでそれぞれソロパートとオケパートを演奏するという企画です。
プログラムは
リスト:ピアノ協奏曲 第2番 イ長調 LW-H6(S125)
ドホナーニ:ピアノと管弦楽のための童謡主題による変奏曲 ハ長調 作品25
バルトーク:ピアノ協奏曲 第3番 Sz119
の三曲でした。

知り合いの女性と行ったのですが、
彼女の感想では「バルトークだけ理解できない」ということでした。
バルトークは現代音楽の先駆け的な作曲家ですから、
構造的に音楽を楽しむなら、それはそれで良いのですが、
「美しさ」や「メロディアス」という点で楽しもうとすると・・・ちょっと辛いかも??!
バルトークの場合、オペラなどもけっこー辛いですし。
構造的に楽しむ・・・・なんて、音楽素人のJackには不可能です。

そんなわけでJackは、バルトークだけは
二人のピアニストさんのリズム的一体性に集中して聴いてみました。
フフフ・・・
お二人で合わせて練習するときは、どんな感じだったのでしょうかね??
まさかメトロノーム機動させたままではなかったとは思いますが。
今度、金澤さんにお会いした時に伺ってみたく思います。