『秘密の部屋』の映画版ですが、原作にある「ハーマイオニーの美味しいシーン」はほとんど取り上げられていません。
映画という時間的制約のせいなのでしょうが、
我らがハーマイオニーの魅力的な部分がカットされてしまうのは悲しい限りです。
原作にもありますが、スプラウト先生の「薬草学」の時間に、
「マンドレイク」の特徴を正しく解答できて、グリフィンドールに加点されるところは、
彼女の優等生ぶりを示す「お約束シーン」として残されています。
ロックハートの「闇の魔術に対する防衛術」の授業で、
ハーマイオニーが大暴れするピクシー小妖精を捕まえて片付けるシーンは、
原作より映画のほうが格好がよいようです。
彼女が優等生であるということを強調するシーンは、
全部はカットしないというのがお決まりパターンとなったのでしょう。
二人の親友のおかげで、ちょっと「ワル」になったシーンは、
ポリジュース作りのところで発揮されています。
有無を言わさず、男の子二人に自分が計画した作戦を実行させるあたり、
「小学生くらいだと、まだ女の子の方が強いよね!」と思わずにはいられません。
もっともロンは大きくなってもハーマイオニーに頭が上がらないと思いますが。
原作にもありますが、「穢れた血」という言葉でマルフォイに罵られるシーンも健在です。
ここでエマ・ワトソンによる「傷ついた演技」は、まあまあヨロシイかと思われます。
ハグリッドに慰められて、微妙な笑顔を浮かべる演技は(監督の演技指導があったと思われますが)、
ハーマイオニーのイメージに合っていたと思います。
『秘密の部屋』では、原作同様に猫になったり、石にされたりで踏んだり蹴ったりのハーマイオニーですが、
秘密の部屋の怪物がなんであるかを解き、
対処方法として鏡を持ち歩き、その怪物の移動方法は何か・・・
といった謎を全部見極めてから石になるのは、なかなか「やるなぁ~」と思わせる部分です。
最後に解毒薬ができて動けるようになった後、
ハリーとロンのもとに駆け寄り、ハリーには思いっきり抱きつくところを、
相手がロンになるとお互いに躊躇して「握手だけ!」になってしまうのは、
ロンハーな方々を萌えな気分にさせるところなのだと思います。
(原作にはないシーンですね)
試験が取りやめになって、
「そんなぁ~」と残念がるシーンも残っています。
いずれにせよ、「ハーマイオニーを見るなら映画より原作!!」
という気持ちが益々強くなった作品でした。