本格的ハンガリー料理

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2月12日(火)、久しぶりにドイツから帰国した友人Yさん(日本人・女性)と銀座にある、「本格的ハンガリー料理」をうたったお店にランチを頂きに行ってきました。
このYさんとはJackはハンガリー長期滞在時に知り合いました。

元来ドイツの日系企業にお勤めのYさん。
2年の「長期出張」でハンガリーに来ていたところ、可哀そうなことにJackのおもちゃとなってしまいました。
Yさんの方が年上なのに、彼女はJackのいじられ役・・・

13:30に現地集合。
1分差でYさんが早く到着して、エレベータルームでバッタリ!
でも一瞬、後姿からYさんと気付かなかったのでした。
久しぶりに見たYさんは人間が丸くなっておいででした。
それをネタに当然いじらせていただきました。
(どーでもいいですけどね、Yさん曰く「Jackさんは容赦がない」)

さて本格的「ハンガリー料理の店」ということですが・・・
ほとんどウソですね!
事前にHPを覗いてから出かけましたが、アラカルトメニューの写真を見て・・・「なんですか?これは」
エステルハージィサラダとかスズキのカルパティとか、一瞬ハンガリーチックに聞こえる名称ですが、
ハンガリー料理であんなに大きな海老が乗っている料理にお会いしたことがありせん。

ハンガリーには海がありません。
メインディッシュはおろか、付け合わせやサラダにだって、海の幸が上がることは皆無と言っていいでしょう。
日本人にとって、長期滞在がすごくつらい国なんです。

そもそもサラダというものは、ハンガリーには酢漬けタイプ、つまりマリネ風のサラダしかないのかと思っていました。
探せばサニーレタスののったサラダもあるのでしょうか?

ちなみに魚料理はコイ、マス、スズキといった、川魚・・・
基本的に川魚特有の泥臭さがあります。(ナマズは例外的に美味です)
確かにこの銀座のレストランでも、魚料理は川魚しかおいていません。
しかし・・・まるでフランス料理を思わせるような、おしゃれな盛り付けはいかがなもんでしょう?
ハンガリーのどこへ行けば、あのような美しいプレートを見ることができるのでしょうか?

このレストランに「チキンのクレープ・ホルトバージィ地方スタイル」というのがありました。
ハンガリー語で言えば、おそらく「ホルトバージ・フーショシュ・パラチンタ」かもしれません。
ハンガリー料理でクレープ(パラチンタ)は一つの特徴となる料理かもしれません。
しかしこのレストランで提供されるような「形の整った」パラチンタをJackは見たことがありません。

ハンガリーのレストランに行くと(超高級店はともかく)、もっとザックバランな料理・・・
野采やソーセージが無造作に積まれたお皿が勢いよくでてきたり、
焼き物か煮込み料理がほとんどで、煮込みには間違いなくラードが使われております。
ハンガリーはラードの消費量が、全人口平均で一人当たり年間2kg!
全人口での平均ですから、赤ちゃんやご老体、全員で割っての平均です。
どれだけすごい量で消費しているかがわかります。
WHO(世界保健機関)にも「ものすごーく不健康な国」の烙印を押されています。
パンにバター代わりに塗りますからねぇ・・・
ちなみにハンガリーのレストランでは、パンは事前にテーブルの上に置かれていて、少し干からびた感じ・・・

どーでも良いですが、ハンガリー料理は銀座で出せる代物なのか?この点が疑問だったのです。
しかしそこがハンガリー料理の魅力でもあるわけで・・・
決して「マズイ」と言っているわけではありません。
美味しいです。肉などは日本産より確実に美味しいです。
サワークリームが強調されるべき特徴でしょう。(日本では通常パプリカが特徴と紹介されますが)
ただ魚介がないので、毎日食べていると日本人には辛い。
白いご飯もないので厳しい。
インディカ種がほとんどで、付け合わせのバターライス、もしくは煮込み料理の具材として使われます。
何よりも大きな特徴は「おしゃれとは言えない」ことかと思われます。

よってこの本格的ハンガリー料理のレストラン・・・本格的ではありません。

写真一枚目はJackが食べた「フォアグラ丼」(日本でのフォアグラ全輸入量の40%以上がハンガリー産)。
「レチョーライスの上にフォアグラ」とありますが、ちっともレチョーライスではなくて、
単なるガーリック・バターライス!
レチョーライスは、ラードでベーコン、パプリカ、トマトを煮込んで、さらにそれで米を煮込まなくてはダメです。

写真二枚目はYさんが食したグヤーシュランチ!
グヤーシュはハンガリー料理では代表的なスープ料理です。
このレストランのグヤーシュは、一口味見させていただきましたが・・・アッサリしすぎ。
ミネストローネスープを思わせました。(マズくはないですけどね)
まあ、日本の牛肉で、ハンガリー・グヤーシュのコクが出せるのかは疑問ですが。
とにかく、ラードは使ってないでしょうしねぇ。

なんにせよ、銀座で売れるものを提供するとしたら、本格的ハンガリー料理は無理なんですよねぇ。
ハンガリー人を連れていったら、「これは何料理の店?」と言われてしまうかも・・・