○○○のお茶

Jackの勤務先である小料理屋のフロアチーフは、京都・宇治の出身です。
家族大好きのチーフはお正月・お盆・ゴールデンウィークの年3回、必ず帰省します。
この年末も業務終了次第、里帰りするということだったので、
「お金払うから、100gで1000円くらいの宇治茶(煎茶)、買ってきて!」とお願いしました。

Jackは静岡茶を愛する者です。
関東近県のお茶、例えば狭山茶などは試飲したことがありますが、
Jack的にはさっぱり型の狭山茶より、渋味と甘味をより強く感じる(気がする)静岡茶の方が好みです。

最近では薩摩茶なども試していますが、中部・関西地方のお茶はじっくり試したことがありません。
昨年春に新潟の村上茶を試した時に至福の思いをさせていただきました。
その時お茶に添付されていた解説には、
丹波の木を新潟に持ってきて・・・」とあったので、京都方面のお茶も甘味・まろみが期待できるもの!と想像いたしました。
そもそも宇治なんて、抹茶栽培のイメージが強いんだからぁ、玉露的な甘さのお茶の栽培は得意のはずだよ!!!などと勝手な決め付け!!

年末・年始と、宇治茶について色々と想像をめぐらしつつ、フロアチーフに会うことを楽しみにしておりました。(正確にはチーフが買ってくるお茶を楽しみに!)
フロアチーフは高校生の時お茶屋さんでバイトをしていたらしいので、きっと地元の良さげなお茶を買ってきてくれるに違いない・・・などと思いつつ!

本年の初出勤日、チーフが「お茶買ってきたよ!」と小さな包みを渡してきました。
「いくら?」と訊くと、今回はお土産として受け取れ!金はいらん・・・と男らしい?ことをおっしゃって、値段を言いません。
「自分で買わないと、真剣に飲まないから、払いたい」と言ったのですが、受け付けず・・・
結局、土産として受け取りました。

「これって宇治のお茶?」と訊くと、「うーん・・・京都のお茶、○○○のお茶だけどわかる?」とおっしゃいます。
○○○には東京でも有名なお茶屋の名前が入ります。
Jackは知りませんでした。
美味しいものは好きですが、メーカーとかブランドには非常に疎いのです。
「わからん」と言うと、
「何を買うか迷ってたら、「○○○のお茶なら東京の人は喜ぶ!」ってアドバイスされてさぁ」と!
Jackはなんだかとっても不安になったのですが、
「Jackは京都のお茶は良く知らんから、何でも喜ぶよ!!」と言って、受取りました。

試飲する都合上、一応「100g1000円位の品」ということだけは確認させてもらいました。
これがわからないと、他のお茶との甲乙がつけられないので。

Jack母は特別「お茶好き」というわけではないのに、○○○の名前は知っていました。
近所の百貨店でも売っているらしいです。

封を切って・・・かなり不安になりました。
「より」が甘いんじゃない?? ツヤも良いとは言えんぞぉ・・・
とりあえずそのまま食べてみること!
う~ん・・・渋味というか、苦味だけしか感じないかなぁ・・・?
噛んでも、噛んでも、甘味は感じないしぃ・・・これって、ヤバイんと違う??

とりあえずいつものやり方で淹れてみることにしました。
ちゃんと色は出ました。
でもトロみはない感じです。さっぱり型なのでしょうか?
恐る恐る、一口・・・・アカン、味がない。香りもない。強さもない。

まあ、味がないというのは言いすぎかもしれませんが、これが100g1000円のお茶というなら、
随分と「ボッてるなぁ」という感じです。
いつも飲んでいるお茶が、美味しすぎるのでしょうか?
しかし昨年試した村上茶は100g1000円でかなり美味でした。

京都のお茶がJack好みでないということも考えられますが、それなら狭山茶も同じこと。
しかしこれまで試した狭山のお茶は、100g1000円出せば、好みの合うかは別として、それ相応の特徴というものは感じられたのです。

Jackが至った結論は・・・
いかん、・・・これは「ブランド代」が入った値段だ。
全国展開している店のネームヴァリューを値段から差し引かなくてはならん。
他のお茶屋なら100g1000円でもっと美味しいお茶が飲める。
○○○でお茶を買ってはいけない・・・ということでした。

しかしこんなこと、フロアチーフには言えないよなぁ・・・
もしかしたら、お湯の温度を変えたら、もうちょっとお茶の特徴を引き出せるかもしれない・・・
まだ工夫の余地はあるはずだぁ(そう信じたい)!!

というわけで、「美味しい」というウソをつくのは、Jackの性格上できないことなので、
「ありがとう」だけ言って、もう少し工夫をこらしてみることにしました。
色々やっているうちに、100gなんてすぐになくなっちゃうんですけどね。