仕事納め

Jackが勤務する小料理屋の営業納めは12月29日でした。

Jackはバイト先に飲食店を選ぶことが多いですが、「常連さんでもっている店」に勤めたのは初めてでした。
最初の年はまだ慣れないうちで気がつかなかったのですが、
最近では「常連さん」というのは年末の営業納めが迫ると、「挨拶」のためにお店にやって来るものなのだということを理解しました。

ママの旦那さん(スタッフは「パパさん」と呼ぶ)曰く、
「俺も馴染みの店には年内に挨拶に行っておかなきゃいけない気になるよ。妙な義務感があるんだよ」
ということですが、
「馴染みの店」を持たないJackには、いまいちピンときません。

年末が近くになるにつれて、順番に常連さんたちがお土産持参でやって来られ、
押し並べて「来年もよろしく!」という言葉とともに去っていかれます。

そして営業納めの29日は、予約客で開店前にすでに満席状態!
暖簾を出したと同時に入店されたフリーのお客さんに(本日一人目)、
「すいません、今日は予約で満席なんです」と、お客が一人もいないのに追い返す状態。

そして営業中も電話が鳴って、
「今日が最後だから挨拶に行きたいのだけど、空いてる席ある?」・・・みたいな感じ。
まるで今生の別れのようです。
これで新年初営業日も、また皆さん挨拶にいらして、
押し並べて「今年もよろしく」と言って去っていくのですけどね。

とにかく営業納めの日は、「売り尽くし」ではないけれど、ほとんどの商品が出尽くす感じになって、
最後には「わさび」が足りなくて刺身が出せないという、かなりマヌケな騒ぎもあって(パパさんが自宅からストックを持ってきてなんとかなった)、
全部終了した時は、閉店から1時間20分後の24時20分でした。

今年の営業はこれでおしまい。
でも翌日30日は店の大掃除で、やっぱり出勤。
この大掃除が面倒臭くて危険なんです。

調理場の掃除は換気扇やフライヤー、焼き台などの油汚れを徹底的に落とさなくてはいけないので大変!
換気扇は月に一回くらいの割合で掃除しているのですが、それでもあっという間に汚れますから。
焼き台やフライヤーも日々の掃除でとりきれない汚れを、この時に一掃!

業務用の超強力な洗剤を使うのですが、これがかなり危険なものなのです。
Jackの勤務先では薄めず、原液をスプレー式容器で使用しています。
肌にかかると、冬場で「荒れた」肌にものすごくしみるのです。
ゴム手袋なしでの作業は考えられず、換気扇フードの掃除の時はタオルで「ほっかむり」も必須!
吸い込まないようにマスクもします。
換気扇フードの掃除はずっと上向きで作業をするのでかなりの重労働。

去年、Jackはこのフードの掃除中に危ない目にあいました。
汚れの上に霧吹きかけた液体が、汚れとともにJackの顔に落ちてきたのでした。
鼻のわきについてしまい、極少量だったのですが、肌の表面の皮がむけて三が日にカサブタになりました。
ちょっとズレてたら失明してたかも・・・
そう考えると洒落にならないくらい恐怖で、今年は「スキーのゴーグル」持参で出かけました。

通常勤務で着用する作務衣の上に、着古されたかっぽう着、タオルの「ほっかむり」にゴーグルとマスク、そしてゴム手袋、足元は業務用の白いゴム長靴・・・
鏡を見なくても、その怪しすぎる格好の想像がつきます。

が、スタッフ全員が似たような格好をしているので、誰も違和感を感じていないようです。
ゴーグルにいたっては、他のスタッフから
「ナイスアイディア」だとお褒めの言葉をいただきました。

そんな格好でやく5時間の掃除が終わり、今年の仕事はすべて終了。
やっと落ち着けますよ!
もーゆっくりとしたいので、また今年も自分の部屋の掃除はやらないで年を越しそうです。