沼ノ平噴火口

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山頂から10分ほど北に歩くと、左側に噴火口が見えてきます。
上の写真がそうですが、何やら鉱山の採掘場のようですね。

深田久弥の『日本百名山』によれば、
1700年(明治33年)の爆発以前は、その地名の通り沼だったそうです。
この噴火の時、この場にあった硫黄精錬所が被害を受けて、
70人以上の従業員が全滅したということです。

さらには平成9年9月にはこの沼ノ平で火山性ガスによる遭難死亡事故が発生しました。
Jackたちは山の東側から登りはじめましたが、
遭難にあったグループは西側から山域に入りました。
『YAMAPシリーズ18』(山と渓谷社、2005年)によれば、
沼ノ平に到着したところ、霧で道を失って、道を探しながら進むうちに、
火山性ガスを吸ってしまって、次々に倒れていったということです。
死因は硫化水素などのガスによる中毒死という診断だったようです。

現在ではこの沼ノ平は立ち入り禁止となっています。
上からこの噴火口を見降ろしている時、確かに硫黄のような匂いがしました。
日本人は日本が火山列島で温泉大国なので、硫黄の匂いには「慣れ」があるように思います。
しかし活動している火山の場合、有毒なガスを発している時もあるわけです。
知っている匂いでも侮らないで、なるべく吸わないようにして、早々に立ち去るべきですね。

しかしこの噴火口、ガイドブックには「月世界」のようだとありましたが、
どーも砂漠的荒野のようにも思えました。