さん、さん

日本語をしゃべらない外国の方がいる前で、日本人同士で日本語で会話した時、
例えば「○○さん!それ、とって!」とか、簡単なことでいいのですが、
そんな場合、たいてい訊かれるのが「「○○さん」の「さん」は何?」という質問です。
だいたいの場合「名前の後ろに「さん」をつけると、丁寧になるんだよ!」
と説明しておきます。

少し日本語がわかっている異人さんは、さらに日本語のこの用法について、
奇妙な点を指摘してくださいます。
例えば動物園などで親が小さな子供に「ほーら!ゾウさんだよ」とか「キリンさんだよ」
などと言って、指差し説明していますが、異国の方にとっては
「動物にまで「さん」をつけて、丁寧にする必要があるのか?」という感じで、
少々滑稽に見えるようです。

Jackはこの用法の動物への適用について、不思議なことに気がつきました。
「ゾウさん」「クマさん」「ネコさん」「ブタさん」はありです。
また鳥の場合、「トリさん」もありですが、「スズメさん」「ツバメさん」もありです。
虫の場合も、「トンボさん」「蝶々さん」もありです。
常に言うわけではありませんが、「虫さん」もありのような気がします。
しかし「ウマさん」はありなのに、「サラブレッドさん」「道産子さん」はないような気がします。
何故でしょう?

また馬と猿に関しては、「お馬さん」「お猿さん」と、
「お」までつけて、丁寧指数をUpさせるような呼び方もします。
他の動物でも「お」をつける場合があるかもしれませんが、思い出せません。
少なくとも「おゾウさん」「おクマさん」はないように思えます。

さらに「ウマ」「サル」について言えば、童謡で
「エッサ、エッサ、エッサほいサッサッ!お猿のカゴ屋だ ほいサッサッ♪」
とか、
「お馬はみんな、パッパカ走る パッパカ走る♪」
のように、
「さん」はつけずとも、「お」はつけるといった事例も存在します。
丁寧なんだか、中途半端なんだか・・・?
何故でしょう?

こうなってくると、異人さんたちに「丁寧だから」といった説明で納得させる自信がなくなります。
そもそも、動物に対して一定の「丁寧」を表しているかに見える日本人の心遣いへの説明は?
まったく不思議なもんで・・・
まあ、こんなこと考えているJackも不思議な奴だと言われますが!