青磁

世田谷区のハズレにある、Jackにとってはお馴染みの美術館の企画展、
『中国・青磁のきらめき―水色から青、緑の世界―』に行ってきました。
青磁の展覧会も、かつてJackの焼き物鑑賞師匠K氏に解説を願ったことがあります。
が、今回はK氏もいらっしゃらないので、
美術館展示室で行われる「列品解説」なるものに参加しました。
この美術館は自らのコレクションだけで展示を行うことが多いので、
並んでいる美術品には、多少偏りを感じるかもしれません。

展示は中国の窯ごとに配置されていて、順路としては、
越州窯→耀州窯→きん窯→龍泉窯→景徳鎮窯
となっています。
点数としては龍泉窯の作品が最多です。
解説も、龍泉窯で一番力が入っていました。

龍泉窯は南宋時代は、割ときれいな感じの青ですが、
元代には草緑になります。形も大ぶりになります。

こうした青磁の展覧会に来る方々は、
やはり茶の湯なんぞを嗜む方がおおいのでしょうか?
南宋時代の龍泉窯の作品で、「砧」と呼ばれるている青磁があるのですが、
解説の中に「この瓶は伊達家の茶会で必ず用いられて・・・うんぬん・・・」
とありまして、中高年女性の鑑賞者の心を奪っておいででした。

Jackとしては、「砧」より時代が下って元代の頃の「龍門寺手」と呼ばれ、
青というより緑で、大ぶりの青磁に好感が持てました。
解説によれば「元代はモンゴル人支配なので、食生活が変わった。肉の丸焼きなどが乗るような大きなものが依頼された。またイスラム世界への輸出が増えたのでその傾向も強くなる。ミニアチュールなどを観ると、カーペットの上に並べられた大皿料理を長い箸で食べる場面が描かれる」
ということだそうです。

いいですね!!大皿料理!
確かにあの緑のお皿にこんがり焼けた肉の丸焼き・・・
お似合いのように思います。
やはり食器はあくまで実用品として観るのが○だと思います。(Jack意見)
しかし茶器として観ると、実用品であっても、
鑑賞用のイメージが強くなるのはJackだけでしょうか?

明清代の景徳鎮窯の青磁は妙に白っぽくて、Jack好みではありません。
まずいことにJackのバイト先で、刺盛用に使っている平皿を思い出しました。
景徳鎮は青磁というより青白磁を目指していて、
白磁白磁に分類されるそうなので、妙に白々しいのも納得できます。

同じ青でも、河南省のきん窯の青磁(元代)の青が良かったです。
ほんと、鉄の成分が変化して出てきた青です。
しかし、あれに料理を盛るのは難しいですねぇ・・・
料理が負けそうです。
果物・・・もしくは色鮮やかに料理した野菜・・・でしょうか???
今度K氏の意見も伺ってみたく思います。