3つの協奏曲 vol.10 その3

続きです。
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即興的に演奏しないなら、クラシックの協奏曲の「ソロ」「ソリスト」は不思議な存在だ。
モダン・ジャズのセッションでソロって言ったら「即興演奏」よ!
ロックやポップスなどで、曲の途中に現れる「ギター・ソロ」や「鍵盤楽器のソロ」は、演奏者の作曲とは限らないけど「聴かせ場」にはなる
それに似てるのがビッグバンド・ジャズで、曲の途中に随所で現れる「ある楽器の聴かせ場」としてのソロ

まあ、クラシックの協奏曲の場合も「ある楽器」の聴かせ場なんだろう。(技巧的なことも含め)
そう考えると、「二台ピアノ」の場合は、伴奏がもっと目立っていいんじゃないのかな?(技巧的には楽なの?)
「ある楽器」の見せ場・聴かせ場なのだとしたら、同じ楽器なんだし。
優越をつけないほうが素敵になるかもよ。いっそ、伴奏者も暗譜して競争したら?

というわけで、今年はHZM10周年ということらしく、
近江氏にいたっては、新しく“サン=サーンス”シリーズを始めるとか、始めないとか・・・

1月末に、池袋で金澤さまと呑んで食べて呑んだ時、その件で文句を垂れてしまった。
そしたら、金澤亜希子はすごいことを言ったよ。

Jack>
近江さんがサン=サーンス全曲やるのは嬉しくない。2番は既出だからいいけど、5番も近江さんでいいけど、3番は金澤さんで、4番は彩香ちゃんで聴きたい。
そもそも4番を近江さんって、無理じゃない? 弾き始めから飽きちゃうんじゃない?

金澤>
じゃあ、ひとまず来年は近江くんが2番やって、再来年は「サン=サーンスの年」にして、私が3番、彩香ちゃんが4番、近江くんが5番でやって欲しいってブログに書きなよ!そしたら近江くんも読むし。近江くんは5番が弾ければ大丈夫だと思うよ。

   金澤亜希子・・・あんた、策士だよ。まあ、そういうところは好きですけどね。

今年の演奏を聴いた感じでは、彩香ちゃんが3番でも面白いかもしれないけどね。
今後も続いていくはずのHZM・・・
どうなるかは不明ですが、「サン=サーンスの年」については、ご検討いただきたいものです。
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ヨハネス・ブラームス  ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 Op.83】
最後は、金澤亜希子ぉ。 vol.5以来のトリでの登場です。
中堅で器用に色々弾いてきた、ってことだと思うが。

ところが、当日のご本人のTweetsで、何やら不安を感じさせる宣言が・・・

 >公演では、楽譜を置くことにしました。

これって、けっこう屈辱なのでは? やめるという選択肢がない以上、これしかないのかも知らんが。
(THE SHOW MUST GO ON って歌、知ってます?)
始まるまで、こっちがハラハラしてたかも~ 彩香ちゃんのラフマニノフ2番を聴いた時みたい。
まあ、奴さんもプロだし、なんとか恰好のつくものにしてくるだろう。
とは言え、楽譜置いたからって、上手くいくとは限らんがな・・・

Jackにとっては、まったく愛情を感じていないブラームスですが、
今回はCDを購入して、予習として3曲中では一番よく聴いたかもね。
予習でCDを買った場合は、ネットとかで曲情報は読まないようにするので、
曲についての一般的な評価は知らないまま、会場に行くことにしています。

繰り返し聴いていて、最初は捉えどころのない印象でしたが・・・
なんか、第2楽章と第3楽章が変じゃね?
第2楽章は「浮いて」ないか? 別の曲用に書いたものを無理にぶち込んだとか? 
そんな訳は無いはな・・・この楽章終了間近のピアノ、好きだけど
第3楽章は・・・私、今、ピアノ協奏曲聴いてたはずだけど、主役は、チェロか? ピアノ、、負けてるよねぇ。。
まあ、音的に言ったら、奥行も深みも、元来ピアノはチェロの敵にはなれないが・・・
ど~でもいいけど、ブラームスの意図がわかりにくい。

第1楽章は、金澤亜希子向きのような感じがするけどね。 
Kanazawa Akikónak való. それは言い過ぎ 無駄にほめ殺し
彼女の既演から考えると、バルトークよりも、まったくもってサン=サーンス
ピエルネも悪くはなかったけど、私的にはショスタコーヴィチの方が・・・プロコ、覚えてましぇん。
ロマン派との相性は悪くないと思うのですが。
まあ、Jackは彼女のリストを聴いていないのでね。(本当に聴いてないぞ!)

ブラームス、相性は悪くないよね。でもね、ピアノが一人でガツンと演るところは、なんかダメだったね。
ミスると「そこだけが不味い」で終わらず、その周辺が一様に弱く聴こえてしまう。
後ろの方で聴いたので、全体的な音のバランスや響きが分かりやすかったです。

楽譜置いた、それだけで敗北なのかも知らんから、今回はこの辺りでテキトーに止めておきましょう。
場数踏んでる分、最後まで止まることなく弾けちゃってるんで、恰好はついたわけだし。
その辺は、貫禄だね!! (あっ アンコール、良かったですよ)
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ひとつのことを10年続けたとしても、その世界の専門家として、どれだけ成長できるのかは分からない。
でも一人の人間の内側では、何かしらの自信になるだろうし、大きな意味を持つものになると思われます。
ノルマ的なマンネリにならなければ、もっともっともっと続けてくださいマセ。 生温かく応援してます。

10回目だってことなので、何か差し入れでもするか? と思ったものの、
お金がないので、大したものは持っていかなかった。お花もお一人様につき1本です。
来年は、期待しないでね。 20回目になったら、何かあるかもしれないけど。