同業者

段々と涼しくなってきました。
Jackが勤める季節料理屋の繁忙期期は夏で、最近は少し客数が減ったかな??と思ってます。
そこそこに混むのですが、スロースタートなんですね。
夕方5時開店で、人が入り始めるのが6時半近くなってからだったりするので。
しかし昨日は5時から予約が入っていたので、開店と同時に店が回転し始めました。

8時近くになって男3・女1の四人連れが入店して、お座敷に陣取りました。
刺身は盛り合わせと単品で〆サバと勘八を一皿ずつ。
単品で注文した分は盛り合わせといっしょに盛らないでほしいという要望。
Jackはピンとこなかったのですが、ママ(女将)はこれで同業者ではないかと察したようでした。

この季節料理屋は飲み屋街の一角にあるので、周辺は飲み屋ばかりですが、
最近はさらに開発が進み、新しい店がどんどん増えています。
ママいわく、新しく店を始めるので偵察にきたのだろう・・・ということでした。

そのせいか、やたらと質問が多く、
刺し盛りにしても、「この魚は何か?」とか、「キノコの天ぷらにはどんなキノコが入っているのか?」とか・・・
ママは案外にも、こうした同業者を嫌がらず、
礼儀正しくしていれば情報提供などもしたりします。
長くこの界隈で色々な人にお世話になったので、お互い様だということらしいです。

この四人連れにも、最初は同業者として話しかけるつもりでいたようですが、
途中でまったく気持ちが変わってしまいました。
仕事の切れ間に板場から出て、常連さんに挨拶しにいったのですが、
間もなく「あの四人は態度が生意気だ」と言って戻ってきました。

四人連れは座敷でメジャーを取り出して、テーブルの幅とか掘りごたつの深さとかを測っていたそうです。
それも悪びれることなく、ママの目の前で堂々とやっていたそうです。
ママとしては「勉強させてください」という謙虚な姿勢でいれば、
そのくらいは許してあげるつもりでいたようですが・・・
「女ばかりの店だと思って、なめてるのよ!!」と激怒。

最後に〆のお食事で「へしこ茶漬け」一点が注文されてきたのですが、
接客のスタッフに「とりあえずこれだけ頼んで、どんなのが出てくるか見てからまた頼む」と言ったようで、この発言が火に油を注ぐことに・・・
「悪いけどへしこは今日は終わっちゃったから!」と言って、スタッフに断りにいかせて、
結局おにぎりと味噌汁に変更。
普通はしじみの味噌汁を出しているのに、
「Jackちゃん、豆腐とわかめでいいから。おにぎりも小さめでいいから」とブチ切れ状態。
「向こうがその気なら、こっちだって手の内は見せないわよ。へしこなんて食べさせない!!」
みたいな感じでした。

その四人連れは確かにあまり良い態度とは言えませんでしたけどね。
一見さんでも最後にスタッフが「ありがとうございましたぁ!!」と言えば、
なんとなく「ごちそうさまぁ・・・」みたいな雰囲気でお帰りになるのですが、
この四人はまったく「無視」で出て行ったので、妙に高飛車なイメージだけが残りました。

Jackが働いている店は、ほとんど常連さんでもっているお店なので、
近所に新しい店ができても、それほど大きな影響はないのですが(これまではなかった)、
変な探りを入れられて、馬鹿にするような態度をとられるのは、気分の良いものではありません。
このあたりは店の入れ替わりは激しくて、長く続く店は少ないのですが、
そんな中、13年間店を回しつづけているママとしては
「あんな謙虚さのない態度では、うちの敵ではない」と逆に馬鹿にした感じでした。

スタッフのお願いとしては、偵察に来てもいいけど、ママの機嫌を損ねるのはやめてほしいです。
火の粉がこちらにもかかるので・・・